大人の部活動
去年に今の家に引っ越してきてから、近所のおじいちゃんの繋がりで各所に神輿を担ぎに行き始めた。
千葉の祭は当然行くが、東京の祭に行くことの方が多い。ここ数ヶ月で建国祭、三社祭、鳥越祭などなど色んな祭に行っている。
祭の服装や神輿を担ぐときのルール、マナーはあまり明文化されず、年長者からの口伝のようなもので伝わることが多いように思う。僕は新参者なので何も分からないまま動いてしまって*1怒鳴られたりつき飛ばされたりすることが多い。*2
引っ越してくる以前に近所でやっていた神輿と比べると、東京、千葉の神輿はどうも「大人の部活動」とでも言うべき体育会系なノリがある。
その場その場では怒鳴られても、その場面が終わればフラットな関係に戻る。もっと気合入れろ!と肩を棒に押し当てられても、小休止まで頑張りきればよくやった!強いぞ!と褒めてくれる。
もしかしたらこれは子供の頃に受けておくべき教育体験だったのかもしれない。僕の両親は全くスパルタではない放任気味のスタンスだったので、ああしろこうしろだったり中途半端を咎められるみたいな経験は思い返す限り無かった。僕ら兄弟は物分りがいい方だったので、座学で身につくようなマナーはTPOに合わせて使うことができたし、怒られる場面もそう無かったと思う。
本来、そういう教育体験は中高生の部活動でフォローできる仕組みになってたのだろうけど、僕はそこからドロップアウトしているので、結局30を越える年になるまでしっかりと経験することができていなかったのだ。
神輿の大休止の折にはみんなで酒とつまみを持ち寄って道端や公園などでワイワイ話す。祭が終わったら店に入ってそこでもワイワイ酒を飲む。
メンツは年下もいれば上は僕の父親や祖父くらいまでの幅広い年代が揃っていて、仕事も身分を簡単に明かせない類の研究者、船のオペレータ、建設業、飲食店の店主など様々である。僕と同じITエンジニア職は一人もいない。
同級生の間で流行ってるだとか、同じ職種や同僚にしか通じない話題は使えない。それでもちゃんと話を聞いてれば何かしら人生経験からひっかかるところはあり、しっかり話せばみんな反応してくれる。
神輿のコミュニティに入って、ようやく「社会人」の本当の輪郭が分かってきたような気がする。本来は15年も前には経験しておくべきだったことを、少しずつ取り返している。